刑法犯全体の件数は10年ぶりに200万件を下回ったというのに、
高齢者の犯罪は逆に増加する傾向にあるらしい。この件については各メディアで報道されている。
・高齢者の刑法犯、10年前の3倍…今年は4万5000人(読売新聞12月14日)・高齢者の犯罪が大幅増 10年前の3・5倍に(msn産経ニュース12月14日)
↑警察庁(中央合同庁舎2号館)↑警察庁の発表によると、65歳以上の刑法犯は、
10年前の97年には1万2818人だった。
ところが、
今年は既に1月から11月末までの時点で4万4928人もの高齢者が摘発されている、というのだから驚きだ。警察庁も「高齢化が進行したにしても多すぎる」と首をかしげているらしい。
最も増加が著しいのは「暴行・障害」などの粗暴犯で、11月末での摘発者数はそれぞれ1,705人と1,038人。
これは10年前のおよそ17倍に匹敵する数字だ。昨年と比べても約5%の増加となる。年末で犯罪者数の増える12月分を含めると、更にこの数字は上がるだろう。
ちなみに今年、
性犯罪で摘発された高齢者の数は、まだまとまっていないようだが、
昨年1年間の「強姦」の摘発者は17人で9年前の5.7倍。強制わいせつは135人で3.5倍だったらしい。

↑高齢者の刑法犯検挙人員の比率↑(警察庁統計資料より抜粋)高齢者が多くの犯罪被害に遭っている一方で、その高齢者自体が犯罪に手を染めている。「高齢者=被害者」、という単純な図式で考えることは出来ない。これをどう捉えるべきなのだろうか。
GMはむろん法律の専門家ではないが、高齢者の犯罪が増えた要因を敢えて挙げるなら、
・社会的に孤立した高齢者の増加(不安感の増大)
・経済的な要因
・老老介護などによるストレス
・健康な高齢者が増えた・・・等といった所が頭に浮かぶ。
特に核家族化や近所付き合いをしない人間が多くなった昨今、高齢者の孤立化は大きな問題だ。
人間は遺伝的に社会的動物とされている(らしい)ので、
他人との接触を断たれると不安になる事が多いそうだ。例えばイヌは群から隔離すると仲間を呼ぼうと遠吠えをしたり、
攻撃的になったりする。この点では人間も同じだろう(孤独の方が好きな人も多いが)。
犯罪を起こす動機や要因は一つであるはずはないので、上記の例を含めた様々な要因が複合して起きているのだとは思うが、
社会的な要因というものがやはり大きいと感じる。一般的には「高齢者の犯罪」などと言うと、
「生活費に困って万引きした」、といった風なイメージが強いのだろうが、これだけ犯罪件数が増加している現状では、それも粗暴犯や性犯罪が増大しているとなれば、そう単純なものと割り切る訳にもいかない。
年金や保険制度などの問題も重要だが、間もなく到来する超高齢化社会を安全に迎えるため、我々は高齢者の犯罪についての対策も考慮していかなければならないだろう。
高齢者施設で勤務する者にとって、それを考えることは、とても悲しいことでもあるのだけれど。【関連情報】
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