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カメラとセンサーは何が違うの?という疑問についての補足説明(後編)

【前編】からの続きです。

グループホーム協会はプライバシー上、カメラは問答無用で×だけど、離床センサーや徘徊センサーの設置は最低限ならOKだと言う。では、その最低限の根拠はどこから来ているのか?

センサーとカメラは何が違うの?というタイトルを前回記事につけたのはそのためです。カメラとセンサー、画像と音との違いは無論あります。音より映像の方が必要以上の情報を得る可能性は大きいかもしれない。

しかし、それによって入居者さんの行動を管理するという面において、両者はプライバシーの取り扱い上、ほぼ同一線上の存在であるとは言えないでしょうか。

『カメラは生活の実際の様子を必要以上に覗き見るからダメなんだ』

という人もいるのでしょうが、例えば入居者の見守りが業務内容に含まれている施設職員であっても、必要以上にその人の生活を覗き見ることは許されないと思いますし、音の出るセンサーであっても置き場所などの使用法によってはそれは同じ。そこに違いは無いはずです

センサーは入居者が任意の場所から離れた場合のみ動作するからギリギリセーフだという人もいるのでしょうが、それなら、ある一定の状況下で、被写体が動いた時にだけ動作するようなカメラならOKなのか?という疑問も新たに浮上します。ケースバイケース、と一言で括れないものを感じるのです。センサーとカメラを区別する、その"概念的な違い"がどうしてもわからない。

「アホらしい。問題なのは道具じゃないんだよ、これは。大体、プライバシーの尺度は個人によっても異なるのだから、その人によって違うに決まってんだろ。馬鹿じゃねw」

という声が再び聞こえてきそうですが、ちょっと待って下さい。今回の見守りカメラは、個人が云々とか使い方がどうこう言う以前に、結果的に製品化そのものが中止となっているのです。

曲がりなりにも存在と使用を許容されているセンサーとは大違いです。使う前から否定されているのですから。カメラ=監視→即アウトとグループホーム協会からは瞬殺されています。カメラに対しては「プライバシー上」という漠然な理由で躊躇なく否定されている。間が無い。つまり、

カメラなら即座に否定という、その否定に至る過程がGMには不明確なままだと言っているのです。 

センサーの使用については、実際上、事故防止や見守りのための手段の一つとして許容されている。GMもセンサー利用そのものが良くないことだ、とは思ってません。それは元記事でも説明しています。ここまでは良い。

では、カメラはどうなのか?仮にセンサーと同じような最低限の使用しかしないとしても(どういう使い方かはわからんが、開発陣は当然そのような使用法を念頭に置いていたと思う)、やはり拒否されるのではないのか?ならば、カメラとセンサーについての、機器の存在としてのプライバシー上の取り扱いの差異は理論上、どう整合されているのか?整合されているなら、それはいかなる理由付けによるものなのか?どういう過程を辿って行き着いた答えなのか?最低限とは何を指しているのか?

ここら辺が他業種からの転職組であるGMにはわからないのですよ。別に今回のグループホームに関する事柄だけじゃなく、これまでの介護現場におけるプライバシー議論の変遷や、現在に至る状況が感覚的に掴めないでいるのです。「どうしても実際の現場の議論の内容や過去の経緯について疎いところがあります」と前回の記事で言い、「関係者の方から教えを乞いたい」と思ったのはこれが為です。

『グループホーム協会の中の1人が適当に発言しただけかもしれないし、製品化も開発元が勝手に中止しただけでしょ?そもそも理屈で介護する訳じゃないだろ。場合によるし、そんなことまで考えて介護してられるか。介護は現場でやってるんだよ。それが実際にどう関係があるっていうの?屁理屈いうのはまた今度なw』

とお思いの方もおられるでしょうが、これは福祉機器の開発会社などからしてみれば大い関係のある事だと思うのですよ。

開発元からしてみれば、グループホームで使ってもらおうと開発したシステムを、グループホームの全国組織である協会から否定された訳です。影響力は企業側から見ればかなり大きい。グループホームによっては「それでも便利だから買うよ」、という所もあるんでしょうが、今後のことを考えれば協会から睨まれてまで製品化しようとは思わんでしょうし、できないでしょう。

記事によると、カメラの開発には約1000万円の資金が注ぎ込まれているのだそうです。今回のケースでは国の補助金を受けているからまだ良いものの、これが民間会社が独自に開発したものだったら資金は持ち出しなんだから大損です(製品化しなければ開発コストは回収できない)。今後の福祉機器開発にも少なからず影響することは明白です。理屈を知ってて作ったのなら会社がただの間抜けだったことになるのでしょうが、もしもそこら辺が曖昧なままで反対されたのなら、会社側としてはたまったもんじゃありません。

ならば、やはりグループホーム協会の主張には、その裏付けとしての整然とした理論が必要とされるのではないのか?では、それはどのようなものなのか?というのが前回の記事でGMが言いたかった事なのです。

プライバシーの保護に関する概念自体の歴史は非常に新しい。日本では戦後以降での話です。なので、それほど多くの議論を経てきている訳ではありませんし、そもそもプライバシーというものの考えの性質上、「これは×、これは○」みたいに紋切り型に決められるような単純なシロモノではありません。答えは有って無いようなものなのだし、グループホーム協会に「キチンとした理屈を説明しろ」というのは酷なのかもしれない。しかし、今後のことを考えれば無視もできない問題なんじゃないかな、と思って今回改めて補足説明してまで記事にしてみました。

ちなみに個人的にはGMはカメラ使用には反対の立場です。自分が使われた場合のことを考えれば、カメラで覗き見られるのはやはり気持ちの悪いものがあります。

ただし、このブログで示したような理由を提示された上で「カメラ拒否の理由を明確にせよ」、と論戦を挑まれた場合、GMには"理路整然とした有効な反論の手立てが無い"と思ったのです。「気持ちわるいから」や「プライバシー上」というだけでは学生以下の議論にしかなりません。この件をブログのネタに挙げたのは、そのあたりの意見を他の人に尋ねたかったから、という理由もあるのです。

GMの話は以上で終わりです。
元記事前編とを含めて、長々とお読み下さった方々に心からの感謝を。

そして、宜しければどなたか、浅学なGMにご意見をお聞かせ願えないでしょうか。




【補足の補足】

今回の記事は、福祉機器におけるプライバシーの定義をどこに置いているのか、という疑問を、「新聞記事上でのグループホーム協会の主張」に絡めて論じています。新聞に載ったコメントには協会側の主張が割愛されている可能性もありますのでご注意下さい。

あと、元記事でセンサーが音で判断する機器だということをもって、盗聴がどうとか盗撮がどうとか言う喩えを使っているので念のために言っておきますが、ここでの話は法理論上のものではありませんよ

余談ながら言いますと、たしか日本の法律では、盗聴そのものを罰する規定は存在しなかったはずですし(第三者への漏洩や盗聴器を取り付ける際に住居に不法侵入した場合などに罰せられる)、盗撮や覗きについては軽犯罪法や、憲法13条を拠り所にした過去の判例(デモ隊への警官による写真撮影に関する事件等。私人間の問題ではない)が、わずかながらも存在している事は、詳しいとは言えないながらも一応は承知しています。

その点においては、画像を取り扱うカメラ側の方が不利なのかもしれませんが、ここではあくまで今回の新聞記事の件をクローズアップして、「実際の介護現場におけるプライバシー」の取り扱い上の問題に関する理解を深めようという主旨でお話をしています。

適切かどうかはちょっと微妙ですが、何卒ご了承のほどを。

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コメント
追記
説明し忘れてた事が3つほど。

①この記事中で出てくる「見守りカメラ」というのは"ビデオカメラ"です。普通のデジカメか何かだと思われてしまってはいけないので訂正しときます。

②あと、このカメラの使い方に関してなんですが、朝日新聞の記事を読めばわかるんですが、

「石川県内の3グループホームの入居者や家族の了解を得て、玄関や廊下にカメラを設置し、台所などにモニターテレビを置いて、職員が入居者の動きを画面で確認できるようにした。」

という事ですので、居室内を撮影するようなタイプのものでは無いようです。GMもそれを前提にして記事を書いていますので御了承のほどを。

「居室内を映しつづけるカメラ」ならこんな記事書いたりはしない(笑)

③最後に、
元記事のタイトルと単語の一部を変更しています。
(徘徊センサー~→「センサー」へ)

センサー類一般に当てはまることだったもので、「徘徊センサー」としている所は「センサー」に表記を変え、それによって文章が若干整わなくなった部分については一部語尾を変えたり単語を追加していますが、本文の主旨や内容を変えたりはしておりませんので念のため。
2008/10/12(日) 16:29 | URL | GM #JalddpaA[ 編集]
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