■米刑務所が「老人ホーム」化? 受刑者の高齢化進む (CNN.co.jp)アメリカのニュースから。
アメリカでは
受刑者の高齢化が進んでおり、55歳以上の男性受刑者の数が、2007年に8万9900人に達しているのだそうです。ほとんどは持病や認知症などの疾患を抱えており、刑務所にかかる多額の医療費が、刑務所を管轄する州の財政を圧迫しているんだとか。
ところで、
実はこの手の話はアメリカに限った話ではなく、
日本でも同様だったりします。
当ブログの2008年1月3日記事でも紹介していますが、日本でも愛知県の豊橋や愛媛県の西条、広島県の尾道などにある刑務所が、増え続ける高齢受刑者に対応するため、バリアフリー化した刑務所として設置されています。
一般的には
「高齢者の犯罪」などと言うと、「生活費に困って万引きした」、といった、一種悲壮なイメージの方が強いんだと思いますが、実は全然そんなことは無く、
警察庁の統計資料によれば、高齢者犯罪で最も増加が著しいのは、何と
「暴行・障害」などの粗暴犯なのです。
データによれば、平成12年には762人だった粗暴犯の数が、平成20年には
3,404人にまで増加。増加率はたった8年で
4.5倍に達しています。平成9年から数えた場合の増加率は
17倍以上。
粗暴犯となれば、刑務所行きの確率はかなり高くなります。万引き犯も倍加しており、それも問題ではあるのですが、粗暴犯の検挙数の比ではないのは明らかでしょう。
このあたりの話は介護関係の方は何故かあまり語りたがらないようで、「残念だ」というコメントだけで終わらせたり、専ら生活苦を理由にしての万引きの話などばかりを話したりして
事実をぼかしてしまうのが常なのですが、これは厳然たる事実です。
高齢者の犯罪が増えた要因をいくつか挙げれば、
・社会的に孤立した高齢者の増加(不安感の増大)
・経済的な要因
・老老介護などによるストレス
・健康な高齢者が増えた
などといった所が挙げられるかと思います。
特に核家族化や近所付き合いをしない人間が多くなった昨今、
高齢者の孤立化は大きな要因になっていると推察されます。
これは行政の力だけではどうにもならないでしょうから、
地域を巻き込んだ一体的な取り組みが、今後どれだけおこなわれるかがポイントとなるでしょう。
ただし、前述したように近所付き合いの意識自体が希薄化していますから、正直なところ、それでどれだけの効果が挙がるかはわかりませんが。
高齢者犯罪は
再犯率が高いことでも知られています。
刑務所に入れば日々の作業は辛くとも、衣食住は確保されますからね。粗暴犯として受刑したものの、出所後に行く先も収入のあてもなく、今度は軽い犯罪で再び刑務所に入れてもらうようになる、といった図式なのかもしれません。
今回取り上げたニュースはあくまでアメリカでの話ですが、「海外のニュース」というと、どうしても日本とは無関係な問題と捉えがちになってしまうと思い、今回のブログのネタに選んでみました。
日本でも同様の事態が既に起こっている、ということだけは覚えておいて下さいね。
↓ブログランキング参加中。あなたの1クリックにいつも感謝です。 